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DAYS

第26章 熱さまシート S×A








離れちゃうのが、寂しくて。

こんな時は余計にそうで。


気が付けば、翔ちゃんの服の袖を
握りしめてる俺。



「翔ちゃんも、寝るの。」


離すまいと、必死になってる。

だけど離れるのは、寂しいんだもん。


頭はぼーっとしてるけど、
翔ちゃんがいないと寂しいってことは
はっきり分かる。



「はぁー…。もー…。」


翔ちゃんは、またため息をついた。

さっきよりも大きなため息。


困ったようにまゆを寄せて、
俺を見てる。

その顔、可愛いなぁ…って
よく働かない頭のスミで考える。



「翔ちゃん?」
「そんな目で見ないの。

我慢してるんだからな。」


少し情けない声になってる翔ちゃん。

だけど、熱にうなされてる俺が
そんなことに気付くはずもなくて。



「…我慢…してるのぉ…っ?」
「へ?え!ちょ、雅紀!?

何で泣いてんだよ!」
「だって、だってぇ…っ。

翔ちゃ、我慢してるって、
言ったからぁっ。」


俺のことで、我慢なんかしないで。

無理なんかしないで。

俺にできることなら何でもするから。
我慢させないように、努力するから。



「いや、その我慢じゃないから。
不満があるとかじゃなくって、
そのー…」
「やだぁー…

嫌われたくなぃ…。翔ちゃ、

んんんっ!」


わんわん泣いてる俺に、
翔ちゃんら噛み付くようなキスをした。



「ん…ぁ…っは、はぁっ。

翔ちゃん?」
「はぁー…。

俺、我慢してるんだから
煽んなって!」


翔ちゃんの声が、きーんと脳に響く。


「煽る…って?」


無意識に首をかしげて聞くと、


「そういうところだよ…。」


やれやれ、とでも言いたそうな顔。


「押し倒したくなるから。」
「押し倒っ!」


そこまではっきり言われて、
やっと分かった。


我慢って…そういうことか。

今ので熱、もっと上がった気がする。



翔ちゃんを見れば、恥ずかしそうに
顔を両手で覆って、


「言わないつもりだったのに…。」って。




こんな可愛い翔ちゃんみたら、
俺だって我慢出来ないよ…。


ね?

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