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DAYS

第26章 熱さまシート S×A









S side





雅紀は、小悪魔だ。


だけど天然なんだから、
これがまたタチが悪い。


何のためらいもなく、
ストレートに愛の言葉を言ったり。



今だって、袖をぎゅっと握ってる。


我慢してるって言ったのに。
あんまり煽るなって言ったのに。

それでも雅紀はしてくるんだから。


やっぱり小悪魔だよ。




しかもね…


「翔ちゃん…。

我慢しないでいいよ?」って。



もう…。

俺を殺す気か。



熱のせいか、頬は赤くて。

瞳も、今にも涙をこぼしそうなほど
うるうるとしてて。

相変わらず、袖はきゅっと握ったまま。



すぐにでも食べたいけど、
俺にも理性ってものがある。

相手は病人。

明日は待ちに待った旅行。



今、ちゃんと休息を取るのが
1番賢いって分かってるから、


「でも、明日旅行でしょ。

ちゃんと寝ないと、熱下がんなくて
行けなくなっちゃうよ?」



とにかく、俺の理性が保てるうちに
寝てほしくて、言うんだけど


「やだぁ…。あっつい…。

翔ちゃん…。」



額に汗を浮かべて。

それが妙に色っぽくて。


だけど、ぐっと唇を噛んで耐える。


雅紀の色気に、全て持っていかれて
しまいそうになるから。



「熱が上がってるんだよ。

ほら、冷たいタオルあるから、
ちゃんとおでこに乗せて、
寝な?

ここにいるから。」

「翔ちゃんのバカ…。」
「え!?」

「熱のせいで暑いんじゃないもん…。

翔ちゃんがほしくてね、
も…体が熱いの…。

翔ちゃんがほしくてね、
体の奥がね、あっつい…。」



俺の腕をくんっと引っ張って、
そのせいでバランスの崩れた俺を
ベッドに引きずり込む。


雅紀の腕の中に、すっぽりと
収まる俺。


雅紀の体は、やっぱりいつもより
かなり熱い。



「分かった。分かったから、
とりあえず離してー…」

「ぜんっぜん分かってない!

俺がどれだけ翔ちゃんが
ほしいか、翔ちゃんは分かってない…。」




バカいうなよ。


そんなの俺も一緒だよ。

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