
DAYS
第26章 熱さまシート S×A
え?
今何て言った?
すぐに頭に入ってなくて、
フリーズしてたら
「…ちゃんと言ったのに、
くれないんじゃん…。」
って、しゅんとしてる。
それだけじゃ止まらなくて、
涙がぼろぼろ零れてる。
「あ、ごめん!」
「ごめんじゃない…。
もういいよ。寝るもん…。」
よほどショックを受けたみたいで、
組み敷いてた俺の腕を払い除けると
ベッドの1番端のぎりぎりのところで、
俺に背を向けて寝転がった。
やっちゃった…。
小さく震えてる雅紀の背中。
泣いてるってことくらい、
すぐに分かる。
いや…だってさ。
まさかあのタイミングで、
あんなことを言われると思ってなかった。
いや、俺が言って、とは言ったけど
キスして。とか、
ぎゅってして。とか、
それくらいのレベルだと思ってた。
なのに、挿れてって…。
鼻血が出るレベルだわ。
「雅紀。」
名前を呼べば、ぴくんと体を動かして
反応するのに、俺の方は向いてくれない。
「もう寝るから。」
その一点張り。
こっちを向いてくれないのが寂しくて、
俺も布団に潜り込むと
後ろからぎゅっと抱きしめた。
「雅紀。ごめん…。」
謝っても、何にも言わない。
寝たふりを続けてる。
そんな雅紀を見て、
また湧いてくるイタズラ心。
ぎゅっと抱きしめた手を、
スウェットの袖からするすると侵入させる。
びくっと、俺の腕の中で
体を震わせるけど、やっぱり俺のほうは
向いてくれなくて。
そのまま脇腹を通って、
つーっと指で体を撫でていく。
「ぁ…っ。」
少しだけ漏れる声が、
いつもよりも色っぽくて。
そのまま指を上へと滑らせると、
胸の突起に触れた。
「あっ。んん…っ。」
一際大きな反応を見せるのに、
絶対にこっちには向かない。
もうここまできたら我慢比べに
なりそうだけど。
焦らすように、
周りだけをくるくると撫でる。
雅紀の首筋に顔を埋めると、
舌で耳をなぞる。
ねぇ、こっち向いてよ。
壁なんてみてないで。
もう壁紙にも、天井にも嫉妬する。
