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DAYS

第28章 ヤキモチの答え M×A









朝。

心地よい、春の朝。



カーテンの隙間から、
朝日が漏れて眩しい。

まだ朝は、少し冷え込んでて。

窓がほんの数センチだけ開いてて、
そこから冷たい空気が流れ込んでる。


…今日も花粉が飛んでんな…。

俺の鼻は、敏感に反応してる。



だけど、俺が目を覚ましたのは
そんな理由じゃない。



「潤、起きて♡」

みたいな、甘い新婚さんって
感じの朝でもなくて。


漫画であるような、
爽やかな小鳥のさえずり…でもなくて、


「あ、わぁ!
あっち!」


がしゃーん バンっ



ずいぶん賑やかな音。

愛しい人の大きな声。




「雅紀…。何してんだ…。」


朝から派手にやっちゃってる
奥さんに、思わず失笑。


どうなってるか、状況をはっきり
見た訳じゃないけどさ、

もう想像出来るもんね。


いつも朝は、こんな感じで賑やかだ。

今日は特に、だけど。


雅紀と一緒に暮らすようになってから、
朝があまり嫌いじゃなくなった。

むしろ雅紀との朝は、好きだ。


前までは、なかなか起きれないし、
機嫌悪いしで、朝は得意じゃないし
嫌いだった。


だけど、雅紀がいてくれるってだけで
ちょっとでも早く起きて、

ちょっとでも雅紀の近くにいたいって
思うようになったんだよ。


そう考えてたら、自然と朝も
好きになってた。


結局、雅紀が好きなんだよ。俺。



「何やってんだろうなぁ…。」


はぁっとため息をつくけど、
それも幸せで。


本当、雅紀は一緒にいて楽しい。

いつだって、俺を笑顔にしてくれてて。
…本人は、気付いてないだろうけど。



寝室を出て、
リビングへ向かう。


その足でキッチンへ向かうと、


「雅紀、おはよ。」
「あ、潤。おはよ。」


朝から汗だくになってる雅紀の
爽やかな笑顔にキュンとする。


キッチンは思ってたより
悲惨なことになってた。


卵焼き…であろうものは、
焦げちゃってて。

味噌汁は、沸騰しちゃってる。

鍋のフタは、その辺にぽーん。


「珍しいね。
雅紀が散らかすの。」


最近は、料理の腕も上がってたのに。


包丁王子だし?

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