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DAYS

第28章 ヤキモチの答え M×A









結局、収録のギリギリになって
翔くんは帰ってきた。


まぁ、それはそれはズーンと沈んだ顔で。

思わずくすっと笑ってしまったら、
翔くんに睨まれて背筋が凍った。





収録が終わったあと。


いつもは、雅紀がすぐに隣にきて、


「潤、かーえろっ。」

って、後ろからひょっこり出てくる
はずなんだけど、今日はいない。


まだ楽屋のこと、
怒ってるのかな?


そう思って、後ろを見れば

翔くんに絡まれてる雅紀。



「俺、どうしよ…。

和が…。和が…。」
「翔ちゃん、大丈夫だから。

ね?元気出して?」


負のオーラを存分に出して、
落ちるとこまで落ちてる翔くんを
必死で励ましてる。


…そんな可愛い顔、
他のヤツに見せるなよ。


雅紀と肩を組んで、
ため息をこぼしながら歩く翔くんと、

その横を歩く雅紀。

その顔は、面倒くさそう…というよりは、
何だか嬉しそうで。


それが余計に寂しくて、腹が立って。


それはニノも同じだったらしく、


「潤くん。」


俺の隣で、鬼のような形相になってる。

俺にたいして怒ってる訳じゃ
ないんだろうけど、
ついつい姿勢をぴっと正す。


「どした?」
「今日、飲みに行こ。」
「珍しいね。」
「今日は飲まなきゃやってらんないの。」


相当荒れてらっしゃるようで。


「リーダーも行かない?」


ニノが声をかけてるけど、


「いんや、今日はちょっと忙しいから。

ごめん。今度また誘って。」


って、楽屋に着いた途端
荷物をまとめて帰っていった。


「リーダー、どうしたんだろ。」
「さぁ…。

で、どこ行く?」
「出てから決めても遅くないでしょ。」


荷物をまとめながら、そんな会話を
していると、あの2人が帰ってきた。


「じゃ、行こ。」
「うん。」
「え?和?

一緒に帰ってもくれないの?」


翔くんが、心底ショックです、って
声を出してる。


「…今日は潤くんと飲むから。」
「え?潤?」


今度は雅紀まで食いついて。


説明しようとすると、
ニノがグイグイと俺を引っ張ってく。


…雅紀、ごめん!

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