
DAYS
第28章 ヤキモチの答え M×A
「相葉さんは悪くないって分かってる。
分かってるけど…。
俺の気持ちの問題なんだよ。」
ぽつぽつと話すニノの言葉を
待ってみる。
「気持ちに余裕がない、ってこと?」
「余裕もないけど…。
相葉さんだから。
相葉さん…。」
雅紀だから…?
雅紀には俺がいるから、
浮気とかいう点では大丈夫だと
思うんだけど…。
「翔も、相葉さんといるのが
楽しそうだし。
相葉さんも楽しそうだし。
…やっぱり、相葉さん、
翔のこと、少しは未練があるのかな?
って考えちゃって…。」
「…え?」
耳を疑うような言葉だった。
翔くんに未練?
雅紀が?
…未練?
「それってー…」
「あ…。」
ぱっと、弾かれたように
顔を上げたニノ。
やっちゃったって顔をしてる。
さっきまでは、泣きそうだったのに
今はすごく焦ってるみたいで。
その顔で分かった。
全部本当なんだってことが。
翔くんのことになると、
ニノも余裕がなくなっちゃうのか、
「ごめ、俺何言ってるんだろうね。
忘れて。忘れて。
酔っ払っちゃってただけだから。」
と、慌てて付け加えた。
演技、しきれてないよ、ニノ。
雅紀が、翔くんのことを
好きだった、ってことだろ?
そんな話、聞いたことがなかった。
昔の恋愛の話は、
あんまり聞きたくないのは誰だって
そうだと思う。
俺は、ずっと雅紀一筋だったから、
特に聞きたくはなかったし
聞かないことにしてた。
好きな人がいたことは、
おかしいことじゃない。
むしろ、自然なことで。
だけど…それが翔くんだとは
思ってなかった。
「潤くん…?」
決まり悪そうに、
ニノが俺を呼ぶ。
「あ、ごめん。」
「んーん。
…俺こそごめん。」
しゅんとなってるニノ。
「大丈夫。気にしないでよ。」
何て格好つけて言うけど、
全然大丈夫じゃない。
気にならない訳がない。
