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第28章 ヤキモチの答え M×A











「今日、遅かったね…。

ニノと2人で飲んでたの?」



雅紀がポツリとこぼした本音。


こんな風に言われれば誰だって、

「ヤキモチ、焼いてくれたのかな?」って
ちょっと嬉しくなる。


それはもちろん俺も同じ

はずだった。



今日じゃなければ。




「何?

もっと遅いほうがよかったんじゃ
ないの?」
「…え?」

「もっと俺が遅けりゃさ、
翔くんと一緒にいれたのに、とか
思ってるんじゃないの?」



「いつも」が少し違ってて、
それが今日はたくさん積み重なって。


それが不安になって。

勘違いになって。

怒りに変わって。

止められなくなって、
噴き出して、吐き出して。


自分が正しいって、信じて。

雅紀の気持ちさえ、
考えていなくて。





溜まっていたイライラを
全部吐き出したら、冷静になれた。


だけど、まだ熱は収まりきっていなくて。



「さっき寝言で、
ずっと翔くん、翔くん…。

やっぱりさ、まだどこかで
翔くんのこと想ってんじゃない?」
「何言ってるの?潤。」

「何言ってるのって…。
俺のセリフだよ。

好き、とか。
隠してるだけ、とか。
上手くいった、とか。

好きなんじゃないの?翔くんが。」



自分で言った言葉が、
自分をも傷つけて。


その何百倍も雅紀を傷付けた。



「…好きだよ。」
「…やっぱりそうだよな。
そうだよ。

俺たち終わり。」


夫婦ごっこは終わりにしよう。



「好きだよ…。
だけど、それはメンバーとして。


翔ちゃんと一緒に飲んでなんかない。

…俺がどんな気持ちで、
1人で待ってたと思ってんの?
どれだけ寂しかったか
分かってんの!?

連絡なかったことなんて、
ないから…。
怖かった。寂しかったのに…っ。」



目の縁に溜まっていた涙が、

ぽろっとこぼれ落ちた。

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