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第28章 ヤキモチの答え M×A









でも、和はそれをあまりよく
思ってないみたいで。


相葉くんと話したり、
電話をしたりするのを見ると
すこぶる機嫌が悪くなる。


まぁ、内容を話してないからって
いうのもあると思うんだけどね。




和にはまだ言ってない。


「日曜日に、結婚の報告にいこう」って。

「ちゃんと両親にも挨拶に行こう」って。



とりあえず、和のスケジュールだけは
しっかり抑えておいた。

本人に伝えなきゃいけないのは、
ちゃんと分かってる。



でも…
まだ覚悟を決められてなくて。


ここまできて怖いんだ。

和のすべてを受け入れる覚悟は、
とっくに出来てた。



出来てたはずなのに…


「将来…かぁ。」



和の未来も、
全部を奪ってしまうんだ。俺が。


和の両親だって、孫の顔が
見たいだろうし。

だけど、それが出来ないんだ。


俺が和のすべてを奪ってしまう。

それを報告しなきゃいけない。


それが何より怖い。



「愛してる…。」


それだけじゃダメなのかな…。


きっと2人だけなら、問題は
ないんだろうけど。


俺と和だけの問題じゃないことは、
ずっと前から分かってた。

告白する前からずっと。


だけど、いざ目の前にすると
その壁は大きくて。

1人じゃどう足掻いたって、超えられない。



壁を超える勇気と強さがほしくて、
相葉くんに相談してた。



「…和、遅いな。」


いくら待っても、帰ってこないし。



その時、

メールの受信音。


「和からだ。」


嬉しくて、すぐにメールを開くと、

今日は帰んないから、の文字。



「…はぁ。」


何とも言えない気持ちになる。


ただでさえ怖いのに、
もっと怖くなる。


信じてる和まで、
離れていくんじゃないかって。



考えるのは、
ネガティブなことばかりで。


もう何度目のため息だろ。




もう諦めて寝ようって時に、
インターフォンが鳴った。

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