
DAYS
第28章 ヤキモチの答え M×A
チラッと時計を覗くと、
もうてっぺんに差し掛かる頃で。
宅配便にしちゃ、遅いしな。
こんな時間に誰だろ…。
うだうだ考えてるうちに、
またインターフォンが鳴って。
急かされるように、
「はーい。」
画面を見てみれば、
深くキャップを被って、
サングラスをしてる男の人がいた。
ずーっと下を向いたまま。
その暗い雰囲気が何だか怖くて。
「あのー…。
どちら様でしょうか?」
恐る恐る聞いて見れば、
「…しょ、ちゃん…。」
震える、弱々しい声が聞こえてきた。
そこでやっと分かった。
「相葉くん!?
どうしたの?」
呼びかけても下を向いたままで、
一向に動こうとはしない。
「もういいから。
とにかく開けるから。ね?
入っておいで。」
そういうと、
エントランスの鍵を開けた。
すぐに分かった。
…泣いてた、よな?相葉くん。
電話をしてる時から、
元気がないのは分かってたけど、
あそこまでじゃなかった。
何かあったんだと悟った。
相葉くんが来たら、
どうやって迎えよう。
いつものテンションでいくべきか。
もっとテンションを高めにいくべきか。
それとも、
「大丈夫?」ってハグする?とか。
どうしようとリビングを1人で
ぐるぐるぐるぐる回るけど
「遅いな…。」
あれから結構経つのに、
全然来る気配がない。
心配になって、
下に降りて行ってみれば、
「相葉くん!」
ロビーのちょっとしたソファーで、
動けなくなってる相葉くんがいた。
「どうしたの。早く上がっておいで。」
相葉くんに声をかけても、
泣いてるばかりで。
そればかりか、
息がどんどん荒くなってて。
躊躇ってる暇なんてないから、
「掴まってて。」
それだけいうと、
相葉くんを抱えあげた。
相葉くんは何の抵抗もしないで。
だけど、力も入ってなくて。
…潤と何があったんだよ。
