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第28章 ヤキモチの答え M×A











M side





本当に雅紀が出ていってしまった。


こんなこと、初めてで。

今まで1度もなかったことで。



「…やっちゃった。」



泣いてた。

俺が泣かせたんだ。



泣かせないって決めたのに。

俺が幸せにするって決めたのに。



電話をかけても、
当然のごとく繋がらなくて。

機械音ばかりが聞こえてくる。



「くっそ…。」


1人の家は、寂しくて。冷たくて。


雅紀もこんな気持ちで、
1人で待ってたんだ。


何の連絡もなしに。

ただ1人で、ずーっと。


そう考えたら、自分のしたことが
余計に許せなくなってきた。


…俺のバカ。




あてもなく、家を飛び出そうと
した時に、1本の電話。


その着信音だけでも嬉しくて、
表示されたディスプレイも見ないで、


「もしもし。雅紀!?」
『ぅお!
ちゃんと確認しろよー…。』
「あー…翔くんか。」
『あからさまにテンションが
違うよな。』
「あ、ごめん。」


こんな時に、翔くんからの電話。

また少し、胸の奥がさわさわと
ざわついてきた。


と、同時に
少しだけまたフツフツ沸いてくる
嫉妬心。

何やってんだ、俺。


「どうしたの?」
『それはこっちのセリフだっつーの。

相葉くんが泣きついてきたけど。
何があったの?』


翔くんの口から、雅紀のことが
出るだけでもきゅっとなる。


…やっぱり翔くんのところに
行ったんだ。


一抹の不安だったものが、
どんどんどんどん膨れ上がってく。



「ちょっと…。」
『ちょっとで相葉くんが
あんなに泣くわけないだろ。

とにかく、迎えに来いよ。』


じゃあ、すぐに来い。


それだけ残して、翔くんは
強引に電話を切った。



どんな顔して会えばいいんだよ。

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