DAYS
第4章 In Love With Love M×A
A side
気がついたら寝てたみたいで。
「…き、まさ…雅紀。」
俺の肩をぽんぽんと叩いて、
優しく俺の名前を呼ぶ潤の声が聞こえる。
「んぅ…じゅん?」
「寝てるとこごめんな。着いたよ。」
俺のシートベルトを外しながら、
声をかけてくれる。
「寝ててごめんね。」
って、すぐに謝って立ち上がらなきゃ
ダメなんだろうけど。
今日は何かすごく潤に甘えたくて。
「んー…だっこぉ…。」
って、潤に腕を伸ばしてみる。
一瞬、潤はちょっと困った顔をするけど、
「しょうがないなぁ…。」
ほら、結局優しくって。
ずるいなぁって思う。
でも、そんな潤の優しさに甘えてる
俺のほうがずるいのかな。
「っしょ。」
「え、普通に抱っこでいいよ!」
「なんで?こっちのほうがいいじゃん。
お姫さま抱っこ♡」
は、恥ずかし!
確かに!
確かに俺が、抱っこって言ったけど…。
「軽い。また痩せた?」
「え?いや、分かんない。」
「ちゃんと食べてるの?もー。」
「一応食べてる…はず。」
「不安だなぁ。」
潤がエントランスを抜けて、
エレベーターに乗り込む。
「も、歩けるから、下ろして!」
「やだ。」
「だって重いから」
「重くない。軽い。ほら、もう着くから。」
音が鳴って、エレベーターが止まる。
結局下ろしてもらえないまま、
潤の家までお姫さま抱っこで運ばれた。
玄関に着くと、下ろしてくれるのかな?
って思ってたら、
器用に俺の靴を脱がすと、
自分もぱっと靴を脱いで下ろしてくれない。
「え?潤、もう大丈夫だから!」
「ダメ。俺がしたいの。
それにさ…あんなに可愛いく
お願いされちゃったらさ。我慢出来ない。」
「へ?へ?」
そう言って潤は、俺を抱えあげたまま
寝室へと向かった。
寝室に着くと、ゆっくり
ベッドに下ろされる。
「潤、ごめんね?腕、しんどいでしょ?」
「だから大丈夫だって。
雅紀、ほんとに軽すぎだよ…。
忙しかったりして
食べる時間が無かったり、
作る時間がないのは分かるけど。」
ー…呆れてるの?