無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「あれ、やっぱりまずい？」
「うん…それはさすがに。」



やっちまったって顔してる翔くん。


相談なしに、
いきなり突撃したってダメだよ。



「自分の両親には、
言ったの？二ノとのこと。」
「…それもまだで。」
「え！？」


二ノに何も言っていないことにも
驚いたけど、それ以上に驚いた。


自分の両親にも言ってなかったんだ。


…まぁ、言いにくい気持ちは
すごくよく分かるけどね。


俺も言いにくかったから。


ある程度反対はされると
思うものでしょ。

俺の親は、反対なんてしなかったけど。




はぁーっと、また長いため息を
ついたあと、翔くんが、


「潤は言ったの？」
「俺は、ちゃんと言ったよ。

雅紀の両親に会いに行く前に、
ちゃんと１回会いに行って。

それから、雅紀の両親に
了承を得てから、俺の親に
2人で挨拶に行ったよ。」



俺たちの関係を知ってほしかったのは
当たり前だけど、


ちゃんと認めてもらいたかった。


それをしなきゃ、
雅紀の一生を背負う覚悟なんて
本当の意味で出来ないと思ったから。



「やっぱり言わなきゃな…。」
「…翔くんの両親にも、
やっぱり言わないと。」
「分かってはいるんだけどさ。

ほら…。俺の親って、
特に父親が…さ。」


悲しそうな、悲痛な顔をしてる。

そんな顔もしたくなるよ。


翔くんの親は、厳しいと思う。


威厳があって、
有無を言わせぬ口調。

断固として曲げない真っ直ぐな姿勢。


そんな相手から、認めてもらおうと
しなくちゃいけないんだもんな。



「まぁ、とにかく。
ニノに伝えてみ？

それから、翔くんの両親に
1度言うべきだね。」
「うん…そうだよな。」



ありがとう。


そう言って、翔くんは微笑むけど、
その笑顔は強ばってた。