
DAYS
第28章 ヤキモチの答え M×A
あれから。
話も終わって、グダグダと飲んでた。
「そういえば、雅紀と
何があったの?」
って、翔くんが途中聞いてきたけど、
答えることはしなかった。
テキトーにはぐらかしておいた。
だけど、さっきよりも
ずっと心に余裕が持てていた。
「翔くんのこと、好きなのかな?
翔くんも、雅紀のことを
よく気遣ってるよな…。」
そんなことを考えなくはないけど。
もう嫉妬して、醜い心に支配されて、
雅紀を傷つけたくないから。
「泊まってく?」とは言われたけど、
やっぱり帰らなきゃまずいし。
朝が早いってのもあるけど、
雅紀とちゃんと話がしたいから。
「本当に帰るの?」
いかにも、「寂しいです」って顔して
ビールをちびちび飲んでる。
拗ねてる風、な翔くん。
ぷっと笑ってしまった。
こんなに子供っぽい人だとは
思ってなかった。
「うん。色々やらなきゃいけない
ことがあるから。
雅紀も連れて帰るよ。」
「俺、今日も1人だ…。」
最近、1人が多いんだよーって
嘆いてる。
いやいや、俺に言われて
どうしたらいいんだよ。
って、ちょっと思ったのは黙っておこう。
「まーさき。起きて。」
寝室のベッドの上で、
毛布にくるまって寝てる雅紀の肩を
そっと揺するけど、
「んー…翔ちゃ、
大丈夫…、だい、じょーぶ…。」
寝言しか出てない。
さっきと同じことを言ってるけど、
もう大丈夫。
ちゃんと事情も分かってるし、
それに余裕も出来た。
「起きないなぁ。」
困った風に言ってみるけど、
そんなところも愛しくて堪んない。
もっとガンガン揺らして、
起こすこともできるんだけど…。
起きた時、
泣いて拒絶されないかは怖い。
「やっぱり泊まってく?」
って、翔くん。
何嬉しそうに言ってんだか。
「担いで帰るよ。」
