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第28章 ヤキモチの答え M×A







「男と男が関係を持つとは、
どういうことなんだ。」


初めて、2人の関係を
父親に告げた時だった。

俺だけじゃない。
和にまでこの言葉を言ったんだ。


その時の、和の傷ついた顔が
忘れられなくて。

そんな顔をさせたくて、
俺は両親に打ち明けたわけじゃないのに。


ただ知っていてほしかった。

すぐには認めてくれるわけないとは
分かってたけど、あそこまで酷いことを
言わなくてもいいじゃないかって。

自分の息子ならまだしも、
和にまで…。


それがどうにも許せなくて、

「もういい。」と、
和の手を無理やり引っ張って、
家を飛び出した。

その日以来、実家には帰っていない。


怖いんだけど、
乗り越えるしかない。


仮に和の家族が結婚を認めてくれても、
きっと和は本当に笑ってはくれない。

俺の親に、祝福された結婚じゃ
ないんだから。

自分の新郎の親に、見捨てられた
結婚なんて嬉しい訳がない。


俺も戦うよ、潤。

和の本当の笑顔が見たいから。

もちろん、勘当だって言われるかも
知れない。


その時は、その時だ。

家族の縁を切ってでも、
俺は和との結婚をとる。

それくらい、和が大切なんだ。


だけど、認められないままで
いいことなんてある訳ないから、
出来る限りはやりたい。



机の上に放置してある
携帯に手を伸ばす。

電源をつけてみても、
やっぱり和からは何も無い。


ディスプレイには、1:42の文字。

この時間は非常識だってことは、
重々承知してるんだけど…。

連絡は早い方がいいからと、
母親の連絡先を探す。


さすがに、この時間だから
電話はまずいと思って、メールを送る。

明日、仕事が終わったら
会えるかっていう内容のメール。


返信は明日だと思ってたのに、

「はやっ!」


もう帰ってきたし。


了解の文字を見て、
はぁーって息を吐いた。



大丈夫。俺は上手くやれる。



この日は、なかなか寝付けなかった。

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