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第28章 ヤキモチの答え M×A







撮影中も、ずっと機嫌がよくて。

周りのスタッフさんとかが、

「どうしたんですか?」って
思わず聞いちゃうくらいで。




「二宮さん、何か今日は
いいことでもあるんですか?」
「えー、ふふふ。
やっぱり分かっちゃうー?」


全員での撮影が終わって、
次は個人での撮影。

俺の1つ前の順番の和が、
今はスタジオで撮ってる。


「次、お願いします」と
楽屋から呼ばれて、スタジオに入ったら
こんな感じで。


カメラマンさんとの、
そんな甘い会話が耳に入ってくる。


え、今日何があんの?

ってか、このあと仕事ないでしょ?
家に帰ってこないつもりだったの?

今日も、また1人…なのかな。


そんなことを思うと、
少し軽くなったはずの気持ちが
またずーんと下がってった。



「あれ?
今日は、櫻井さんの元気が
ないんですね。
お疲れですか?」
「あ…。
すいません。ちょっと寝不足で。

いやぁー。帰ってちゃんと寝ないと
いけないんで、今日は巻きで
頑張りますよー!」


ちょっとしたジョークで
場を何とか切り抜けて。

気持ちを切り替えて、撮影だけに集中する。

今は仕事。仕事。


…だぁぁぁ、やっぱりダメだ。


「櫻井さーん、もう少し自然な
感じでお願いしまーす。」


俺の次の潤が、スタジオの隅で
クスクス笑ってるのが見えた。





やっと撮影も終わらせて、
重い足取りで楽屋まで向かう。


和、帰っちゃってるんだろうなぁ…。
俺よりも先だったし。

智くんと相葉くんは、
次の仕事に行っちゃってるからー…。


「楽屋でも1人か…。」


人肌が恋しくなる季節でもないのに、
こんなに寂しい。

最近の俺、変なんだよ。



「…会いたいな。」


何て呟きながら、楽屋のドアを開けた。


「誰に会いたいの?」

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