
DAYS
第28章 ヤキモチの答え M×A
間違えるはずがない。
声を聞いただけで、
どんな顔してるのかまで
ちゃーんと分かっちゃうよ?俺。
ずっと。
ずーーっと聞きたかった声。
昨日から待ってたんだもん。
「和!」
「…何でそんなに驚いてるんです?」
あ、敬語になっちゃってる。
さっきの撮影では、
あんなにニコニコしてたのに、
今は何だか難しい顔をしてる。
「誰に会いたいの?」
「和に決まってるでしょ。」
ここは即答する。
だって、本当のことだから。
1日待ったんだよ?俺。
夜通しで待ったんだから。
会いたいに決まってるでしょ?
俺の嫁さんは、照れ屋だから。
こんなにストレートに言ったら、
「…そっか。」
ほら。
返事こそ、そっけないんだけど
顔が真っ赤になってる。
耳がぴくぴくして、
顔が緩んじゃってるよ?
「何でそんなに驚いたんですか。」
「いや、だって…。」
昨日も帰ってこなくて。
何か、怒らせるようなことでも
したのかと、不安だったし。
今日だって、もう帰ったのかと
思った。
あんなにご機嫌に
「いいことあります」って顔してたら
今日もどこかへ行くのかと思ってたから。
「和は?帰る?」
「いえ。寄るところがあります。」
「あ、そうなんだ。」
「翔さんも、一緒です。」
「あ、そうなんだー…
って、え!?」
ほら、何してんですか。
モタモタしないで早く荷物を
まとめてください。
そんな和の言葉に急かされて、
気が付けば車の中。
しかも、俺が運転すんの?
和の車を俺が運転すんの?
「どこ行くか、分かんないんだけど。」
「大丈夫です。
ナビが入ってますから。」
今日、実家に帰って
親に会うって言いそびれたけど…。
まぁ、すぐに帰ってこれるかな?
「じゃ、出発するよー。」
…もうゲームしてるし。
