DAYS
第28章 ヤキモチの答え M×A
出てきたのは、母親で。
さすがに何か言われるかなって
思ってたのに、
「あら、おかえりなさい。」
としか言われなくて。
しかも、和は
「ただいま。」って言ってるし。
そんなフランクな関係だったっけ?
2人って。
頭の中にクエスチョンマークを
たくさん浮かべたままなのに、
「いつまで玄関で突っ立ってるの。
ほら、上がりなさいよ。
和くんも。ほら。」
「うん。」
和はすっかりタメ口だし。
ますます分からなくなったけど、
黙って2人についてく。
「お義父さんは?」
「リビングにいると思うわ。
和くんたちを待ってたのよ。」
「あっちゃー。
待たせちゃったかぁ。」
廊下で2人が仲良さげに歩いてる。
しかも親父の話をしながら。
2人についていくまま、
たどり着いたのはリビング。
部屋の中央にある、
1人がけのソファーに座る親父の姿が
入口からでもすぐに確認できた。
リビングに足を踏み入れる前に、
大きく深呼吸をする。
息をめいっぱい吸って、
何て声をかけようかと考えていたら、
「お義父さん、ただいま。」
和の一言。
その一言に、入口に背を向けてた
親父が反応して、くるっと向き直る。
和!?
その挨拶で大丈夫なの!?
何かいい言い訳がないかと
頭をフル回転させてたら
「おお、和也くんか。
おかえり。」
…え?
親父もそんな感じなの?
「ごめんなさい。
少し待たせちゃって。」
「いや、問題ない。」
「翔が楽屋に出る準備を
なかなかしてくれなくって。」
困り顔の和を見て、
息子である俺を見る親父。
「まったく…。
父親を待たせるなんてな。」
「あ、ごめん。」
「和也くん、すまんな。
出来の悪い旦那で。」
え…。
今、親父何て言った?