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第28章 ヤキモチの答え M×A






言われた言葉が何度も何度も
頭の中に響いていく。



「え?」


心の中に留めていたはずの声が、
思わず漏れてしまった。


よっぽどマヌケな顔をしていたのか、
俺以外の3人がくすっと笑ってる。

和なんか腹を抱えて、

「翔、っぷっ。
その顔、ひっどいなぁ。」

だってさ。

ひどくない?
自分の旦那さんなのに。


…旦那さん。

さっき、親父が言った言葉を
まだ上手く飲み込めてない。


「ありゃ。お義父さん、
翔、困っちゃってる。」
「はは。
我が息子ながら、情けないやつだ。」


親父までそんなことを言ってる。

もっと厳粛、と言うか
威厳のある感じで来るもんだと
思ってたから、拍子抜けした。


もう頭がパンクしそう。


「あらあら、翔がびっくりしてる。」


ちゃんと説明してあげたら?

母さんが、入口に突っ立ってる
ままの俺に中に入れと手招きをする。


だけど和は、

「いいよ。翔に説明しなくても。」

そう頑なに拒否してる。

そんな和に、親父も

「それもそうか。」と、
一緒になって笑ってる。



結局それに母さんも乗って、
俺のモヤモヤは解決されないまま、


「かんぱーーい。」

和が俺の隣で、
もう4本目のビールを飲んでる。

それ、乾杯っていうもんなの?

そんなことを思ってみるけど、
可愛いから許される。


和と親父はすっかり上機嫌に酔ってる。

そんな2人を、キッチンの方から
優しく見守るように微笑む母さん。


「翔も飲まんか。」

そうは言われても、
酔えるわけがない。

さっきのモヤモヤが、
ずーーっと頭から離れないんだから。

今こうやって、一緒に飲んでるのさえ
まだ信じられない。


俺たちって、認められてないんじゃ
なかったの?

メンバーとして、なら
旦那さん、なんて言わないだろうし。


「気になるの?」


声に振り向けば、
キッチンから戻ってきた母さん。

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