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DAYS

第28章 ヤキモチの答え M×A





俺、バカだなぁ。


和が必死で頑張ってたのに、
俺は逃げて。

『和が傷つくから』って言い訳して、
自分が傷つくのを恐れてた。


だけど、和は真っ直ぐで。

どんなに酷いことを言われたって、
信念を貫いてて。


ごめんな、和。
出来の悪い旦那で。

聞こえるわけないけど、
心の中で何度も謝った。


顔が赤くなるほど飲んで、
もう半分夢心地でもたれ掛かる和を、
親父が優しく頭を撫でてて。


その光景に少し妬いたけど、
だけど和のこれまでの努力の証だと
思ったら、涙がちょっぴり溢れた。



「翔、今日はもう泊まってくでしょ?」
「うん。」
「服は翔の部屋にまだあるし、
和くんのもあるしね。」


さも当たり前のようにサラッと
いう母さんに驚いたけど、
だけどみんなが受け入れてくれてるんだと
思ったら、またジーンとなる。


「…俺も、年取ったなぁ。」


すっかり緩くなった涙腺が
それを俺に深く感じさせた。




いつの間にか、すっかり眠りに
落ちてしまった和と親父。

2人がこれでもかってほど
くっついて幸せそうに眠ってる。


「お父さん。
こんな所で寝てたら、風邪引きますよ。
もう若くないんだから。

和くんも、腰痛くなっちゃいますよ。」


母さんが、2人を軽く揺すって
起こそうとしてる。

親父は、

「んー…。」

そう言って、和のことを
ぎゅーっと抱きしめてるし。


…は!?


和も和で、

「…ふふ。しょうだぁー…。」

そう言って、ふにゃっと笑ってる。


…俺の名前を呼んでくれたから、
顔がにやけてるのが分かる。


けど!


「ダメダメダメダメダメダメ!!」
「うぉっ!」


2人の所へ急いで駆け寄ると、

びりっと引き離して、
和を引っ張り出した。

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