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DAYS

第29章 エメラルド O×S








「じゃあ、何でメイド服着てんの?」


帰ってきて、玄関を開けた瞬間からの
俺の疑問をぶつける。


今まで、コスプレを頼んでも
絶対に着てくれなかった翔が。


玄関開けたら、全力で、
しかもスーパーキュートに

「おかえりなさいませ、ご主人様♡」

って言って、立ってるんだよ?


「頭でもぶつけた?」
「智くん、ひどい。」


ぶーっと頬を膨らませる。


「何でそんな可愛い顔するかな…。」
「え?」
「いや、何でもない。

それより何で着てるの。」
「…松潤がさ。」


松潤?

そういえば、今日の午前中は
一緒に仕事してたんだっけ?


「何か、

『これ、和のために買ったんだけど
サイズ1つ間違えちゃってさ。
もし良かったら使って?
たぶん翔くんなら、ちょうどいい
サイズだから。』

って。渡された…。」


最後のほうは、恥ずかしさからか
ぼそぼそ言ってて聞き取りにくかったけど、

要は、松潤がくれたってことか。


…ニノがこれ着るのか。

ほんの一瞬だけ想像したら、


「智くん?

…今、ニノのこと考えたでしょ。」


ひどいって言って、
俺の下からスルリと抜けると
ベッドから降りていってしまう。


「わ!ちょっと待って!」
「やだ。

智くんなんか、ニノで想像してりゃ
いいでしょ。」


涼しい顔で、すたすた歩いてく。


ここでオアズケは辛いんだけど。

いつもは仕事が押して、
帰ってくるのは日付が変わってるし。

こんな時間に帰ってこれたのは、
ほんっとに久しぶりだし。
…ご無沙汰だし。



つんつんしてるメイドさんを
また追いかけて、
リビングへと慌てて向かってった。


あれ?これ、デジャヴだ。

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