DAYS
第29章 エメラルド O×S
そんな、バカみたいに必死になる
俺を見て、何だかニコニコしてる潤。
それがまた悔しくて。
こんなこと、悔しいって思ったって
仕方ないってのは分かってるけど、
でもやっぱり悔しい。
潤の思う通りに事が進んでるみたいで。
だから、ちょっとは俺に翻弄されてよ。
もっともっと俺だけ見て。
「何でそんなにニコニコしてるの?」
潤にぎゅーっとしがみついて、
胸に額を押し当てながら、
上目遣い気味に可愛く言ってやる。
そしたら、少し耳がぴくぴくしてる。
そんな潤を見て、
してやったりの俺。
「ねぇ、潤。何で?」
「そんなに翔さんにメイド服あげちゃ、
ダメなの?」
「え?」
予想外の返事が返ってきた。
もっと優しいっていうか、
柔らかい返事が返ってくると思ったら
ちょっぴり冷たい言葉。
「ダメに決まってるじゃん!」
「何で?」
「だって…。
ちょっとでも翔さんのこと想像して、
そんな服あげてるなんて嫌だ。」
ついつい潤にうまく操られて、
結局素直な言葉を言ってしまう。
潤は俺を丸裸にするんだ。
俺の表面だけじゃない。
中まで全部欲しがるんだもん。
「でも、翔さんに似合うかなって。
和は思わないの?」
また、ニヤって笑みを俺に向ける。
その潤の顔に腹が立って、
「翔さんよりも、
絶対に俺が着た方が可愛いもん!!」
思わず立ち上がって、
叫ぶような声で言い切った。
…あ。
言ったあとに気が付く。
まんまとやられた、俺。