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DAYS

第29章 エメラルド O×S








手に持たされたメイド服を見て、
またため息が出る。


…このメイド服、カワイイケド…。


着なきゃ、もっと凄いこと
させられそうだし…。

大人しく着た方が賢いのかな。


腹をくくって着てみれば、
サイズはピッタリだし。


「スカート短いすぎるってこれ…。」


絶対領域とか、もうすっ飛ばしてるし。

これじゃ、ボクサーパンツ見えちゃう。



「んーーー…。脱いじゃえ!」


ここまで来たらもう、逆に燃えてきた。

徹底的にメイドになってやる。


パンツを脱いで、
メイド服を着てみればパンツは見えないけど

「これはこれでやばいな…。」


俺、パンツ履かないでこれ着てるって
ただの変態じゃん。


ちゃんとガーターベルトもつけて、
頭のカチューシャもつけた。

鏡で自分の姿を確認してみれば


「…カワイイ。」


何でも似合う自分がにくいよ、ホント。


「絶対翔さんより可愛いんだもん…。」


潤が俺のことを好きだってのは、
重々承知してる。

だから潤は俺だけ見てくれればいいの。

ほかの人のことなんて考えないで。
よそ見なんてしないで。

俺だけ考えて。


…女装した翔さんに嫉妬するって、
俺もかなりの末期だよね。



「和、まだー?」


そんな声が、リビングのほうから
聞こえてきてる。

やば、急がないと。


最後にもう1回だけ鏡を覗いて、
笑顔を作って。


これで潤をメロメロにしてやる。


脱衣場のドアをガラガラっと開けて、
軽く小走りでリビングまで行く。


もちろん、スカートをうまく
ふわふわさせながら走る。


いつもより、ほんの少し高めの声で


「お待たせして申し訳ありません、
ご主人様♡」


これでどうだ。

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