DAYS
第29章 エメラルド O×S
M side
パタパタと、脱衣場から
走ってくる和の足音が耳に入った。
和のメイド…。
想像しただけでも、
下半身にぐんっと熱が溜まってくる。
翔さんにあげたメイド服だって、
最初から和に着てもらうための
ものだったんだから。
興奮しない訳がないでしょ?
翔さんにまで嫉妬してた和。
拗ねた顔が、超絶可愛かった。
俺が和以外のことを
好きになるなんて、あり得ない。
あり得ないんだけど、
和はあんなにムキになっちゃうんだもん。
ちょっとだけ意地悪したくなるのは、
必然的だと思うんだけどな。
足音がリビングの前まで聞こえて
きたから、ぱっと顔を上げてみると
「お待たせして申し訳ありません、
ご主人様♡」
ほら、やっぱり嫌そうな顔してるな
って、ん?
…。
…え。
頭がフリーズした。
一瞬で真っ白になった。
可愛いすぎる…!!
キャパオーバーしてるよ、俺。
今までだって、たくさん可愛い和を
見てきた。
だけど、これはやばいでしょ。
だって、何もしなくても可愛いのに、
和、超ノリノリなんだもん。
すんげえノリノリで、
メイドさんをやってるんだもん。
「…ご主人様?」
何も言わないままの俺を
不思議に思ったのか、俺の前に
しゃがみこんで、
首を傾げる仕草をする。
上目遣いで。
うるうるおめめで。
あー…。
これは絶対に確信犯だ。
自分が可愛いんだって、
分かってやってるだろ?それ。
翻弄してるようで、
でもやっぱり俺が翻弄されてる。
悔しいから、
俺も全力でノッてやろうじゃん。