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DAYS

第29章 エメラルド O×S








俺は、朝、決まって寝起きが悪い。

朝は苦手だ。



「…きて、起きて。潤。」
「…ん。」


誰かが俺の体を揺さぶってて。

それがすぐに和だと分かるには、
いつも時間がかかる。


「…。」
「ほーら、潤。

もー…。ホントに寝起きが
悪いんだから…。」


そんな、毎日同じことを言ってる
その声で、やっと和だと分かる。


「もーちょっと…。」


何て、甘いことを言えば
いつも

「ダーメ!起きて!」

って。厳しいことを言われる。

和、いい奥さんになってくれそうって
いつも感じる。


俺は、朝が苦手だ。

だけど、朝が好きだ。


いつもそんなしっかり者の和を
感じられるから。

そんな和を見たいから、
ベッドの上でぐずる…ってのは内緒。


今日もそんな和が見たくて、

「もうちょっと…。」って
和を困らせる。


そしたら、


「…じゃあ、おはようのちゅー、
出来ないね…。」
「え!?」


自己最高…、いや、
世界記録出たかも。

俺の飛び起きたスピードは、
それくらい早かった。


だって、
え!?

和からおはようのちゅーって言葉を
聞いたのが初めてだったんだから。



慌ててがばっと起き上がって、
和の顔を見てみれば、

してやったりの顔。


「ふふ。

潤って、…単純、だね。」


そんなことを言って笑ってるんだ。


また、朝が好きになる。

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