テキストサイズ

DAYS

第30章 時計じかけのアンブレラ II S×A





仕事の終わりに携帯を開けば、
1通のメールが届いてた。


櫻井翔の文字。

その文字を見ただけで、
仕事の疲れが一気にどっと出てきた。


疲れだけじゃない、
黒い感情までもフツフツと沸いてくる。


躊躇いながらも、
届いてるメールを開いてみれば


「雅紀が事故にあった」


頭が一瞬で真っ白になった。


「…は。」


事故って…。

なにそれ。映画かドラマの撮影?

それとも、ソロの仕事で
何か怪我でもしちゃったの?

ドジだな、ほんと。


冷静になろうと、
頭が勝手にシナリオを作ってる。

だけど、現実はそうさせてくれなくて。


「二宮さん!!!」


ばんっと楽屋のドアを開けて、
息を切らしたマネージャーが入ってきた。


「何してるんですか!
行かないんですか?」
「行かないんですかって…どこに?」
「どこにって、病院です!

メール、届いてないんですか?」


俺の携帯のほうを見て、
怪訝な目をしてる。


「届いてたけど…。

相葉さんが事故って、
骨折とかした感じ?」
「かなり危ない状況です。
手術の最中です。

とにかく、早く行きましょう!」


俺の荷物をざっとまとめて、
マネージャーが楽屋を飛び出す。

未だ状況が呑み込めず、
突っ立ったままの俺の手を引いて、
車まで走った。


事故?

危ない状況?

意味が分からない。
分かるように説明してよ。


車に押し込まれるように乗り込んで、
マネージャーの運転で車は
制限速度を軽くオーバーして走る。


「…どういうこと?」


やっと出た言葉は震えてた。



「…車にぶつかったみたいです。」


マネージャーの声は、もっと震えていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ