DAYS
第30章 時計じかけのアンブレラ II S×A
潤くんは、早朝からの仕事で
帰らなきゃならなくて、
大野さんは、倒れた翔さんの
様子が気になるからと、
2人ともがその場を離れていって、
相葉さんを待つのは俺だけになった。
手術室の前。
マネージャーには、席を外して
もらっていた。
まぁ、これからの仕事のスケジュールの
こととか、事務所のほうで色々やらないと
いけないことが多いみたいだったけど。
こうやって、相葉さんを待ってるのは
いつ以来なんだろう。
ただ、懐かしかった。
Jrの頃、よくこうやって
駅で待ったりしてたよね。
「あ、ニノだぁ!」って、
俺を見つけては笑う、
アイツがずっと好きだった。
翔さんよりずっと前から好きだった。
裕よりずっと前から…。
胸が苦しくなってきて、
ぎゅっと握りこぶしに力を込めた。
爪のあとが、痛々しくついた。
どれくらいたったか、
手術室のドアが開いた。
中から出てきたのは、
ストレッチャーに乗せられた
相葉さんと、何人かの看護師さん。
あとから、執刀医であろう
医師が出てきて。
「あの、相葉は…。」
「傷自体は、あまり深いものでなく
脳の内部を傷つけているものでは
ありませんでした。
ただ、出血が多かったので…。」
「頭を打ってたんですか?」
「ええ。
ただ、打ちどころが悪かったようで
もしかしたら、後遺症が残るかも
しれません。」
…後遺症?
こういしょう?
「後遺症って…。」
「記憶障害です。」