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DAYS

第30章 時計じかけのアンブレラ II S×A







相葉さんと2人きりの病室。

静寂と、どこか重たい空気が
俺たちを包んでる。


相葉さんといる空間には、
いつだって温もりがあったのに。

この人があの温もりを作ってたんだって、
改めて痛感した。



ピッピッ

規則正しい音だけが
部屋に響いてて。



「…好きだよ…。


…え。」


思わず出た言葉に、
自分でも驚いた。

自分の想いを、声にのせるのは
初めてだった。


深い深い、胸の奥にしまい込んだ
つもりだったのに。

案外、気持ちは心の浅いところにあった。



口に出してしまえば、
もう後戻りは出来ない。

気持ちを止めることも出来ない。

しようとも思わない。


でも…。

躊躇する部分もある。


だって、目の前のコイツは、
俺のものじゃないから。


もう、それでもいいと思った。


ちゃんと言おう。

正面から、言おう。

この気持ちに、終わりをつけたくなった。


好きだけど、叶わない恋だから。

だけど、ちゃんと言おう。

俺が、俺じゃなくなる前に。



「だから…。

早く目、覚ませよ…。」


空が明るくなってきてた。



ずっと握っていた手を、
握り返すように微かな力が込められた。


「相葉さん!?」
「…。


…ニノ?」


目を開けた瞬間。

俺だけしか映らない瞳。


それが、こんなにも幸せだったなんて

知らなかった。



「ねぇ、ニノ…。」
「ん?」
「俺、何でここにいるの?」
「何でって…。

翔さんと一緒にいて、
それでー…」

「翔…って、


誰?」


あぁ。

神様は、とんだイタズラ好きだ。

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