
DAYS
第31章 Make your ... O×N
「恋、かぁ…。」
「…ふふ。」
相葉ちゃんが、俺の顔を見て
ふっと笑った。
あの幸せそうな、明るいいつもの
笑顔じゃない。
少し影のあるような笑顔だった。
「…そんな顔、
相葉ちゃんには似合わないよ。」
「え?」
「ほら、笑って笑って。」
「ちょ、痛い痛い痛い痛い。」
机から身を乗り出して、
相葉ちゃんの頬をぐっと引っ張った。
「笑ってたほうがいいよ。」
「…そうだね。」
そう言って相葉ちゃんは笑った。
さっきよりもずっとずっと寂しそうだった。
「…ひどいな、大ちゃんは…。」
「ん?どうした?」
「…。
ううん。何でもないよ。」
そこから相葉ちゃんはずっと
沈んでて、
「ごめん、俺。
しんどくなっちゃった。」
「え?大丈夫?」
「大丈夫だから!
ごめん、帰るね。」
荷物をまとめるとすぐに、
相葉ちゃんは帰っていった。
「…泣いてた?」
無理させちゃったかな…。
明日、仕事に影響が
出ないといいけど…。
会計をしようとレジへ向かえば、
もう支払いずみ。
また、払えずじまいだ。
家に帰って、ソファーに沈んで
ゆっくりと息を吐き出す。
考えるのは、相葉ちゃんのこと…
よりも、ニノの顔。
相葉ちゃんと過ごした2時間よりも、
あの一瞬のニノの顔が離れなくて。
あの幸せそうな顔が描きたくなった。
急いでアトリエへ行くと、
キャンバスと絵の具を引っ張り出す。
とにかく描きたかったんだ。
