
DAYS
第31章 Make your ... O×N
N side
「ねぇ、ニノ。
何か欲しいもんある?」
「ゲーム。」
「ふは、即答。」
今日は、翔さんと2人での
雑誌の撮影だ。
いつものようにゲームしてる俺と、
新聞を読んでる翔さん。
「何で?くれるの?」
「え?欲しいの?」
「え?くれないの?」
わざとらしく、とぼけたような
顔をしてる翔さんに、すかさずつっ込む。
そんな空気が何か面白くて、
2人でケラケラ笑ってた。
その声は、廊下にまで聞こえてたらしく
あとでスタッフさんに
「本当に仲がいいですね。」
なんて言われた。
「最近、どうなの?」
「どうって、何が?」
「智くんのことだよ。」
「あー…。」
大野さんって言葉が出ただけで、
顔が少し熱くなったのが分かった。
そんな俺に気が付いて、
翔さんがふっと笑った。
「乙女の顔してるなぁ。」
「お、おとめ!?」
「恋してるってことだよ。」
そう言いながら、翔さんが
俺の髪をくしゃくしゃっとする。
「わ、ちょっと!」
髪のせいで、前がうまく見えなくなった。
だけど、少しの隙間から見えた。
翔さんの寂しそうな顔。
「翔さん?」
思わず声をかけてしまった。
「ん?」
だけど、そういって答える顔には
そんな表情どこにもなくて。
「無理、してない?」
「え?」
「何か…無理してそうだったから。
翔さん、すぐに無理するから。
何かあったらいつでも相談に
乗りますから。」
そう言えば、何だか困った顔になって
「ひどいな、ニノは。」
「え?」
「何でもないよ。
ほら、撮影行くぞ!」
「え、うわっ!」
