
DAYS
第31章 Make your ... O×N
撮影中も、いつもと変わらない顔を
してるけど。
俺には分かる。
それ、無理してる顔でしょ。
営業スマイルでごまかしてるけど、
分かりやすいな。
他の人は気が付いてないと思う。
ほら、俺たちもう15年以上の
付き合いだから。
あとで聞かないと。
翔さん、無理しちゃうから。
「翔さん、もう仕事終わりですか?」
「え、うん。」
「ご飯行きましょ、ご飯。」
「え?」
半ば強引に荷物をまとめて、
翔さんを引っ張った。
「ちょ、ニノ。待ってって!」
「予定あるんですか?」
「いや、ないけど…。」
翔さんが妙にしぶるから、
思わず足を止めて翔さんを見る。
まただ。
またあの困ったような、
悲しそうな顔。
何がそんなに翔さんを苦しめてるの?
何がそんなに悲しいの?
その表情を隠そうともしないのに、
なのに言わないんだ。
それがもどかしくて。
何だか悔しくて。
「翔さん、やっぱり無理してます。
何かあったんじゃないんですか。」
「…何にもないよ。」
「そんな顔で何言ってるんですか。
相談くらいなら乗りますから。」
「それじゃ困らせるから…。」
唇をきつく噛んで、
何かに耐えるように堪えてる。
「今さらじゃないですか。」
「違うんだよ。」
「何が違うんですか!」
「お前を困らせるから!」
「だからー…」
「好きなんだよ!お前が!!」
