
DAYS
第31章 Make your ... O×N
…あぁ、そういうこと?
脈ありって、翔くんのことだったんだ。
ニノ、翔くんのことが好きだったんだね。
「脈ありじゃないじゃん…。
…付き合ってるじゃん。」
ニノの顔は、俺のほうからは
見えなかった。
俺が見たのは、ニノの背中が
小さく震える姿と、
翔くんの優しい顔。
翔くんの顔は、本当に愛おしい人を
見るような顔だったから、
本気なんだな、って。
本当なんだな、って、そう思った。
2人が体を離して、楽屋のほうへと
戻っていくのが見える。
俺は動けずに、
壁伝いに座り込んでしまった。
お似合いだと思う。
メンバーなんだから、
祝福してあげないと。
そう思ってるはずなのに、
何でこんなに苦しいんだろう。
何でこんなに切ないんだろう。
何でこんなに虚しいんだろう。
心にぽっかりと穴が開いたような感覚。
開いた穴は大きくて、
その失ったものの大きさに
やっと俺は気がついた。
そうだとすれば、
全部うまく説明がつく。
ニノのことが気になるのも。
こんなに切なくなるのも。
「俺、ニノが好きなんだ…。」
きっと、ずっと前から気が付いてた。
胸の奥の奥に、自分でも気が付かない
うちに、しまい込んでしまってた。
あの時は、モヤモヤした気持ちの
正体がずっと気になっていた。
ずっと知りたかった。
だけど、こんなことなら
知らないほうがよかった。
何で、今気が付くんだろう。
「何で…。」
何で、好きになったんだろう。
