
DAYS
第31章 Make your ... O×N
初めて聞いた。
相葉ちゃんのこんなに低く、冷たい声。
「…何でそんな事言うの…。
大ちゃん、悪いことなんて
してないよ…。」
泣きそうになってる相葉ちゃんに、
ろくに言葉をかけることも出来ない。
「相葉ちゃー…」
「俺ね…。
好きな人がいるんだ。
でもね、その人は男でね。
しかも…、両想いなんだ。
俺、どっちも大事だから
応援したいけど、やっぱり苦しくて…。
でも…絶対に叶わないって
分かってるのに、好きなんだ…。」
相葉ちゃんは、泣いてた。
ボロボロと、大粒の涙を流しながら。
それを拭おうともせず、
ただずっと静かに泣いてた。
「好きって気持ちが、
無駄なんて言わないでよ…。
俺の気持ちを否定しないで…。
俺の気持ちをなかったことに
しないで…。
叶わない恋なんて、分かってる
けど、好きなんだ…。」
真っ直ぐな瞳とぶつかって、
心臓がどくんと跳ねた。
「…ごめん。」
「ううん、大丈夫。
俺ね、応援してるから。
大ちゃんには幸せになってほしいの。」
そう言って笑う相葉ちゃんは
儚くて、脆くて。
目の前から消えてしまいそうだった。
「ねぇ、大ちゃん。」
「…。」
「ニノは、きっと待ってるよ。」
「え…。」
「さ、今日は帰ろっか。
収録も延期だしね。」
にかって、爽やかな笑顔で
俺を見る。
「ねぇ、それってどういう意味?」
聞こうとしたけど、喉の近くまで
出かかった言葉を無理やり飲み込んだ。
