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DAYS

第31章 Make your ... O×N







N side



何日経ったって、
俺の気持ちが晴れることはなくて。


あんなに幸せだった、
「大野さんを好き」って気持ちの
やり場を無くしていた。

俺の気持ちが、
誰かを不幸にしてるんだって
痛感したから…。




「おはよ。」
「…おはようございます。」


翔さんと2人きりの楽屋。

今日は潤くんと翔さんとの
3人での仕事だけど、
まだ潤くんは来ていないようだった。


翔さんが新聞をめくる音と、
俺がしてるゲームの音だけが聞こえる。


「なぁ。」
「…っ。」


翔さんに声をかけられただけで、
体が跳ねる。


これじゃあ、意識してるのが
バレバレだ。


「最近…眠れてないだろ?」
「え…?」
「クマがすごいから…。」


もう遅いって分かってるのに、
慌てて自分の目の下を手で覆った。


悩んで、眠れなかった、なんて
情けなくて言えない。

バレてから隠す自分が
ひどく滑稽だった。



「ごめんな…。」


ポツリとこぼした言葉には、
ありったけの翔さんの気持ちが
入ってるのが伝わった。


「俺のせいだろ、それ。」


声だけで、翔さんがどんな顔を
してるかなんて、容易に想像出来る。

それを見るのがとにかく怖くて、
ただずっと下を向いていた。



うん、とも、
違うよ、とも言えない。


だって、眠れてないのが
翔さんのことが原因なのは事実で。

だけど、翔さんを
傷つけたい訳じゃないんだ。

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