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DAYS

第31章 Make your ... O×N








「ごめん…。」


何度も謝る翔さん。


謝るなら何で言ったの?

なんて、そんなこと言える訳ない。


好きって気持ちを止められない
気持ちは、分かるから…。



「俺のほうこそ、ごめん。」
「…。」
「今まで、俺、何にも気が付かずに
翔さんのこと傷つけてきた…。

でも、ごめん。
俺、やっぱり大野さんがー…」
「今はそれ以上言わないで。」


大野さんが好きなんだ。


俺の言葉は、翔さんの声に
かき消されてしまった。


「 今はまだ…。

もう少しだけ、
ニノのこと、好きでいさせて
くれる?

もう、無理だって分かってる。
ニノの心がどこにあるのか、
智くんの心も…。

でも、ごめん。
やっぱり好きなんだ。」


真剣な翔さんの言葉に、
何も言えなくなってしまった。


「…うん。」
「ありがとう。」


ズルイよ、翔さん。

そんな顔されたら、
もう何も言えなくなる。


今までずっと苦しめてきた
翔さんに、簡単に返事をすること
なんて出来なかった。


翔さんに、ずっと

「好き」って気持ちを
俺が殺させてたんだ。



「おはよー…、って、

何か、ここの部屋だけ
重力が違うんだけど。」
「なにそれ、潤くん。」


潤くんのおかげで、
空気がぱっと明るくなった。


だけど、心までは
そうなってくれなくて。


今日も、眠れそうにない。

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