
DAYS
第31章 Make your ... O×N
O side
翔くんと、ニノが抱き合ってるのを
見てから、ろくなことがない。
ずっとモヤモヤしてるから、
ちゃんと眠ることも出来なくて、
睡眠不足で。
ドラマでもNGが多くなって、
共演者の人に迷惑をかけてしまって。
その罪悪感と、あのハグの映像の
フラッシュバックが襲ってきて。
負のスパイラルに陥ってる。
相葉ちゃんの言葉。
『ニノは待ってる』
俺は、ニノが好きだって気が付いた。
分かってみれば、モヤモヤの原因も
分かるけど、
1歩を踏み出す勇気が出ない。
「はぁ…。」
まだ描きかけのキャンパスの前で、
深いため息をつく。
真っ白だったキャンバスには
ニノのあの笑顔。
恋してる顔。
描き始めたあの日以来、
手をつけられずにいた。
あんなに可愛いと思ってた
あの笑顔は、翔くんのものなんじゃ
ないの?
翔くんと…。
「あーーっ!」
キャンバスを持ち上げて、
投げて破ろうとした。
でもやっぱり出来ないんだ。
もう何度も同じことをしてるのに、
ぜんっぜん出来ないんだ。
誰に向けられたものであったって、
ニノの笑顔は綺麗で、可愛かった。
可憐だった。
「…どうしたらいいんだよ。」
相手がいるって知ってて、
玉砕できるほどの根性とハートは
あいにく持ち合わせてない。
まして、同じメンバーなら尚更だ。
筆を持った手は、ずっと止まったまま。
だけど、やっぱりあの笑顔を
残して置きたくて。
何日たったって、容易に思い出せる
ニノのあの笑顔。
筆を走らせることに、夢中になった。
何もかも忘れて。
