
DAYS
第31章 Make your ... O×N
「 俺、大野さんが好き…。
だから…。だから、
翔さんの気持ちには応えられない。」
泣くな、俺。
泣きたいのは俺じゃなくって、
きっと翔さんのほうなんだから。
「うん…。
ありがとう。
やっと踏ん切りがつきそうだよ。」
そう言って、翔さんは笑った。
でも無理やりとってつけたような笑顔で。
だけどそれを言えば、翔さんは
もっと傷つくから、言わない。
「さ、ニノは行かないと。」
「…うん。」
「そんな顔しないの。
言っただろ?覚悟は出来てたって。
いつまでも、俺のことで
躊躇ってちゃ、始まらないのは
分かってたのに、やっぱり自分が
傷つくのが怖くて。
遅くなってごめん。
返事、早くさせてあげられなくて
ごめん。
智くんのところに行けるように
させてあげることが、
俺からの誕生日プレゼントだから。」
ありがたくもらっとけ、って翔さんは
また笑うんだ。
え…。誕生日…?
「明日、誕生日だろ?
智くんとニノのスケジュール、
押さえといたから。
ここからはニノ次第だよ。
大丈夫。
智くんは、待ってるから。」
そう言って、半ば強引に
翔さんは俺の背中を押して
屋上から俺を追い出した。
ドアが閉まる前のほんの一瞬。
すすり泣きの声が、
風に乗って聞こえた気がした。
ありがとう。
