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DAYS

第31章 Make your ... O×N







2人とも、状況を全く呑み込めず
ただただ目を見開いてる。



俺、今なんて言った?

ニノはなんて言った?



「…今、何て言った?」
「何て言いました?」

「「あ…。」」


やっと絞り出せた言葉も、
ニノの声と重なって

また俯き加減になる俺たち。


いい歳した大人が、
何やってんだって感じなんだけど。

2人とも、真っ赤な顔をしてて。
耳まで真っ赤で。



玄関のドアは開けたまま。

いつ誰に見られるか分からない状況。


閉めなきゃって。


ニノに、中に入りなよって
言わなきゃって。

頭の中では分かるんだけど、
それが出来ない。


ただ、目の前にいる、
俺の玄関にいるコイツに

どうしようもなく捕らわれてる。



「「あ、あのさ。」」

「「…ふふ。」」


ここまで来たら、もう笑ってしまう。

それはニノも同じらしく、
ふふ、と微笑んでいる。

「とにかく、入って。」
「あ…、うん。」


やっと言えた、入っての一言。

その一言で、ゆっくりと時が動き出す。


ニノが小さな声で、

「お邪魔しまーす…。」って
遠慮気味に入ってくる。


さっきは1人で歩いた廊下を、
今は2人で歩いている。

それだけで、ニヤけてくる俺の頬。


軽くなる足取り。

そんな俺の後ろには、
ニノがいて。


リビングのドアを開けて、
ソファーに座るように促す。


「…何かいる?」


ぶんぶんと、横に首を振るニノ。


「…かい。」
「ん?」

「もう1回、俺のことを好きだって
言って?」

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