
DAYS
第31章 Make your ... O×N
N side
玄関を開けた瞬間、
目が合った瞬間、
心臓がどくんと大きく跳ねた。
ずっとずっと我慢してた気持ちが
溢れ出して、
「好きです。」
口にしていた言葉は、
大野さんの声と重なっていて。
夢かと思った。
夢なら覚めないでほしいって思った。
だけど、心臓はさっきとは
比じゃないくらいに跳ねていて。
手にはじんわり汗が滲んできてて。
顔がきゅーって熱くなっていく感覚に、
夢じゃないんだって悟った。
しばらくの間、玄関前で突っ立って。
2人で顔を真っ赤にして突っ立って。
入って、って言われた時、
またどくんと心臓が跳ねた。
招き入れ方が、すごくスマートで。
普段の感じとは違う大野さんに、
ドキッとしたんだ。
…と、同時に胸がチクッとした。
慣れた手つきで、人を入れる
その雰囲気に嫉妬したんだ。
俺、変だよね。ほんと。
ここまで必死になって誰かに想いを
伝えたことも、こんな小さなことで
嫉妬することも、今までなかった。
何か飲む?って聞かれても、
ぶんぶんと首を横に振るしか
出来なかった。
リビングに入ってから、
あまりにもいつも通りな感じで、
不安になった。
もしかしたら、さっきのは
本当に夢だったのかもって。
だからだ。
「もう1回、俺のことを好きだって
言って?」
なんて言ったのは。
言ったあと、後悔した。
言わなきゃよかったって。
だけど、
「好きだ、お前のこと。
遅くなってごめんな。」
あぁ、夢じゃなかったんだ。
