DAYS
第5章 Because I love You S×N
4年っていう時間を一緒に過ごして、
「言わなくても大丈夫。
聞かなくても大丈夫。」
って、変に安心してた。
全て分かってるって。
全て分かってもらってるって、思ってたから。
でも、そうじゃないんだ。
言葉にしないと伝わらないことのほうが
ずっとずっと多いのに。
寂しがり屋で、ヤキモチ焼きで、
ぶっきら棒に見えて、顔が赤くなってて。
何にもないような顔してても
耳は赤かったり。
和のこと、こんなに知ってるのに。
「とにかく話、したほうがいいよ。」
「うん。ありがとな。」
「いえいえ。
仲間じゃん?…いろんな意味で。ふふ。」
せっかく感動してたのに…。
松潤の意味深な笑いで、台無しだよ。
店から相葉くんのマンションまでは
意外と近くて。
マンションの近くに車を止めると、
エントランスへ急いで向かう。
相葉くん、大丈夫かなぁ。
そんな心配をしながら、ふと視線を
松潤に移すと、松潤の右手には鍵。
慣れたような手つきで、エントランスを
通り抜けて、エレベーターへと向かってる。
エレベーターを降りると、すぐに見える
相葉くんの家。
鍵を開けて、
「お邪魔しまーす。」
玄関へと入る。
でも反応はなくて。
どっちも酔いつぶれちゃったの?
「リビング、こっちだよ。」
分かってない俺に、声をかけてくれた。
「あ、うん。」
リビングのほうへと足を運ぶ。
「和」
って声をかけようとした時、
…え。今キスした?
しかも和から。
二人は唇を離したあと、俺たちの存在にも
気付かず爆笑してる。
「…和?」
「雅紀!?」
思わず二人揃って声をかけると、
弾かれるように顔をあげた和と相葉くん。
和はまだ状況が呑み込めてないのか、
ぽかーんとした顔をしてて。
相葉くんは、言葉が出ないのか
口をぱくぱくさせてる。
「雅紀?」
「いや、違う!これは、その。事故でー」
「こっちこい!」
軽々と相葉くんを持ち上げて、
二人はリビングを出ていった。
部屋に残されたのは、俺と和だけ。
「和?」
「…。」
名前を呼んでも、返事はない。