DAYS
第6章 三回目の愛図 M×O
M side
「もうすぐ出来るよー。」
呼ぶと、
「はぁーい。」
って返事をして、スリッパをパタパタ言わせて
こっちに近付いてくる。
一つひとつの行動が、可愛いんだよな。
「何か手伝うことってある?」
「んー。じゃあ、スプーンとお箸、
あっちに持って行ってー。」
「分かったー。」
慣れた手つきで食器棚の、二段目の引き出しを
スッと開けて、かちゃかちゃ音をさせながら
取り出してる。
迷わず持っていけるぐらい
一緒に居たんだなぁ。
しみじみそんな事を思ってたら、
「松潤?鍋、煙出てるよ。」
「ぅわっ。」
「ふふ。珍しいミスだねぇ。お疲れ?」
「いや、ごめん。」
何とか早く気付いたから、味には変化なし。
出来上がったのをお皿に盛り付けて、
ダイニングテーブルの方に運んでいくと
右手に既にスプーンを持ったリーダーが
構えてて、思わず吹きそうになる。
お子様ランチを見て、目をキラキラさせてる
子供と何ら変わりはない。
「お腹空いたーー。」
「はいはい。どうぞ。」
リーダーの目の前に出すと、いただきます。って
手を合わせてこちらに軽く礼をして食べ始める。
温野菜と豆乳のリゾット。
こんな時間だし、あんまりお腹に
負担かけるのもあれかなぁ。って考えて、
栄養も摂らなきゃなぁ。って考えたらこうなった。
「うんまぁ。」
「本当?口に合ってよかった。」
ふにゃんってこっちを見て笑うリーダー。
…不覚にも、可愛いなって思った。
一瞬、胸がきゅってなった。
…やっぱり俺、疲れてんのか。
連日仕事が詰まってたしな、うん。
その後も、ずーっと
「うまー。」
って言い続けて、口の中にいっぱい詰め込んで
モグモグと口を動かしてたリーダー。
「ごちそうまさでした。」
「いえいえ。お粗末さまでした。」
「片付けは俺がやるから。」
「いいよいいよ。俺の家だし。」
「いいの、俺がお世話になったから!」
「あー、じゃあお願いします。」
「任せといて。」
やっぱりドヤ顔なんだね。
少しキッチンを離れて、リビングへ戻ると
すぐにパソコンを立ち上げて、今日の分の
残った仕事を片付ける。