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DAYS

第33章 交接 -deep night- ANOS×M





翔くんは、俺を求めた。

俺もそれを拒まなかったし、
むしろそれを望んでいた。


愛を感じるため、と言えばそのような
気もするけど、だけど違うと思う。


翔くんから愛されているのは
ひしひしと伝わってくる。

ただ、俺が翔くんを愛しているかは
定かなことではない。


足りないんだ、こんなのじゃ。

俺が欲しいものには程遠い。



「なぁ、潤。」
「ん…?」


翔くんの固めの腕枕の上、
ベッドでのピロトーク。

ここだけを切り取れば、
俺たちはまるで恋人同士だ。


「…何でもないよ。」
「ふ、何それ。
珍しいね、翔くんがそんな曖昧な
感じなのって。」


翔くんは何かに気が付いているのだろう。

言い出そうとしているけど、
それを封じるかのようにさらに翔くんに
ぎゅっと抱きついた。


「やっぱり…落ち着くね。

さみしかったんだよ?」

なんて言葉を添えて。


そうすれば、翔くんはすぐに
俺を抱きしめ返すと、求めてくる。

分かってしまえば簡単だ。



朝から仕事がある時は、会わない。

絶対に俺の家でだけ会うこと。

午後からの同じ仕事でも、個々の仕事でも
絶対に2人でここのマンションからは
行かない。

それが俺の中の、全員とのルール。


上手くやっていくための知恵。



「明日、午後からでしょ?」
「うん。潤もだろ?
だから…、10時くらいには帰るから。」
「そうして。」


翔くんとは1番関係が長い。

初めこそはこのルールを嫌がったけど、
今では分かってくれたみたいだ。


そこにどんな意図があるのか、なんて
そんなことは知らないと思うけど。

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