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DAYS

第33章 交接 -deep night- ANOS×M





N side


俺は…、いや、俺たちは
薄々気が付いてきていた。

潤くんを中心とした、
メンバー同士の奇妙な関係性に。


だけど、誰も何も言わない。
何も言えない。

それぞれ色々思うことが
あるんだろうけど、少なくとも
俺は言おうとは思っていない。



始まりはどこだったか。


ある日、翔さんと潤くんの雰囲気が
変わったことから始まった。

俺の場合は、ね。


2人の雰囲気の変化は些細なもの
だったけど、ほら、俺、そういうの
気づいちゃう人だから。


それとなく聞いてみたんだ。
潤くんの家で一緒に飲んでる時に。

「もしかして、2人って
そういう関係なの…?」って。


そしたらさ、何て返ってきたと思う?


「ニノにはそんな風に見えるの?

…ニノに誤解されるのが、
1番悲しいよ、俺。」


どんな人がどんな風に捉えたって、
「好き」って告白されてるようなもんだ。


「…俺のこと、好きなの?」


俺の問いかけに、潤くんは
何にも言わなかった。

ただ、じっと俺を見た。


潤くんがあの時、どんな気持ちで
俺を見ていたのかは分からない。

でも、俺は何の疑いもせずに
その瞳の視線を「肯定」だと捉えた。


見つめられた瞳に狂わされて、
気が付けば、俺は潤くんを押し倒してた。

だけど、潤くんは何も言わなかったし、
抵抗もしなかった。


また、俺はそれを「肯定」だと捉えた。


あの日。

あの瞳に捕らわれて
潤くんを抱いたあの日から、俺たちの
関係は始まった。

名前なんてない。


ただ厄介なことがひとつある。

初めの頃には感じていなかった、
ある感情が俺を支配するようになってた。


「好き」

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