
DAYS
第33章 交接 -deep night- ANOS×M
S side
相葉くんの平手打ちが、ニノの頬に飛んだ。
軽い音が、決して広くない個室に
響き渡った。
俺と智くんは、ポカンとその様子を
傍観していて。
ニノは頬を押さえて固まっていた。
相葉くんは…、泣いていた。
声を上げることもなく、ただきゅっと
唇を噛んでニノを見ていた。
軽蔑だとか、そんな批難を含む瞳じゃ
なくて、ただ悲しそうだった。
そんな相葉くんに見つめられて、
いたたまれなくなったのか、
目を逸らすと、ポツリと
「…言い過ぎました。
だけど事実でー…」
「そんなんだから!
ニノたちがそんなんだから、
松潤が傷つくんだよ…。」
「え…?」
傷つく?
松潤が?
相葉くんは、耐えられなくなったのか
涙声に嗚咽が混じるようになってきた。
そんな様子を見て、潤が傷ついてるのは
本当なんだと悟った。
「よくね、俺の家に来るんだ。
だけど…、決まって泣いてるんだ。」
泣いてることにも驚いたけど、
相葉くんの家に行くことの方が驚いた。
「だから俺、知ってたの。
みんなが潤くんとそういう関係を
持ってるってこと。
傷ついてるよ、松潤。
みんな、好きじゃないの?
松潤のこと好きじゃないの?」
泣き叫ぶ相葉くんは、悲痛で、
その姿に胸が苦しくなる。
俺は…。
