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DAYS

第33章 交接 -deep night- ANOS×M




N side


聞いたこともないような、
冷たい潤くんの声に驚いた。

単純に、恐怖を感じた。
体が震え上がった。


今までに、機嫌が悪くなってて
言葉が荒くなったり、雑くなったり
してるのを見たことはあった。

だけど、そんなのをみんなで
どこか可愛らしく見てたところがあった。

眠くて機嫌が悪いのがほとんどだったし、
そんなところがちょっと子供っぽくて、
何だか微笑ましくて。


でもこれはそんなのじゃない。

明らかに、俺らに向けられているのは
「軽蔑」の目。


「謝って許されることじゃないって
分かってるんだけど…、でもー…」
「じゃあ、何で謝るの?
何のために謝ってんの?」


何のためにここに来て、
何のために謝って。

そんなの明確だ。


「好き、だから…。」


出た言葉は消えかけてて、
声は枯れてて震えてて。

人生で1番格好悪い告白だ。


だけど、今までで1番強い気持ちを
持った告白。


「俺も、好きだ。」
「翔くん…。」
「俺も…。始まりは間違えたけど、
でも本気で好き。」
「リーダーも…。」


さっきまでの瞳揺らいできている。

綺麗で澄んだ瞳が、ゆらゆらと揺れて。


涙が1つ、ポロっと零れた。

儚かった。美しかった。綺麗だった。

心臓をぎゅっと締め付けられた。


目の前にいるのは、天使なのか。

穢れを知らない、真っ白なんだ…。

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