
DAYS
第33章 交接 -deep night- ANOS×M
潤くんが立ち上がった、かと思うと
大野さんに平手打ちをした。
さっきのデジャブだな、と
軽い音の響きの中で思う。
「え…。」
みんなが呆気に取られてるうちに、
翔さんにも、そして俺にも。
相葉さん以外、みんなが頬に手を当ててる。
異常な光景っちゃ光景だけど、
当然っちゃ当然だよな。
相葉さんと逆の頬にされたけど、
これ…明日腫れないよな。
なんて、そんなことが一瞬頭を
よぎったけど、だけど本当に一瞬。
気が付いた時には、潤くんの腕の中。
4人まとめて潤くんが、ぎゅっと
抱きしめていた。
「…潤くん?」
潤くんの頭が、俺の肩に当たってる。
じわっと暖かさが広がる感覚に、
すぐに泣いていることが分かった。
俺より大きな体が、小さく震えていて。
抱きしめ返そうかとしていたら、
潤くんがむくっと顔を上げた。
何て声を掛けたらいいのか分からない。
潤くんがプライベートで泣いてるのを
見たことがないから。
いつも妖艶な雰囲気で俺を翻弄して、
いつだって俺を受け止めてくれてて。
泣いてるなんて、思ってもみなかった。
その姿にまた…、不謹慎だけど
心が奪われた。
「…いよ。」
「え?」
「みんな、遅いよ、ばかぁ…。」
それだけ言うと、さっきよりも
激しく泣き始めた。
子供みたいに、ボロボロと。
真っ赤な顔をして。
そんな姿を見て、相葉さんが
真っ先に抱きしめた。
「俺、好きだよ、松潤のこと…。」
「…知ってたよ。」
そんなやり取りが羨ましくて、
俺も潤くんに抱きついた。
今までごめんって気持ちと、
好きだって気持ちを込めて。
