テキストサイズ

DAYS

第33章 交接 -deep night- ANOS×M





嗚咽混じりに泣く姿に、
オロオロしてるのは俺だけじゃないらしい。

隣からも、その隣からも、

「え、あ、潤。」
「どうしよ、泣かせちゃった…。」
「あ、えーっと…。」


俺みたいに、いや、俺以上に
オロオロしてるのが3人。


みんながみんなそんな反応して、
1人の男を囲ってるんだから、おかしな
話だよな、よく考えてみれば。

しかも大のおとなを、だ。


1人の男を慰めるのに、
4人のいい大人が必死になってんだ。

みんな必死なんだ。

「好き」だから。

譲れないくらい、「好き」だから。


「どうした…?

ごめんな、強引だったよな。」


ここで止めとこう、とは言えなかった。

止めたくないから。


目の前には好きな人。

それも、涙目で、体はほんのり桜色で、
とてつもない色気を放っている。

止められるはずがない。


それでも、ここで俺たちが欲のままに
動いてしまえば、また間違える。

もう繰り返してはいけない。


それに、何となく感じていた。

潤はこの状況を嫌だとは
思っていないって。

やめては欲しくないって。


「嫌なわけじゃない…っ。」


ほら、な。

それで泣いてる訳じゃないんだ。


潤の嗚咽が激しくなる。

言葉がうまく繋がっていない。


だけど、誰も続きを促そうとはしなかった。
ただ潤の言葉を待っていた。

みんな分かってるんだと思う。

潤が何を言いたいのか。


「俺、誰が好き、なんて言えないっ。

みんな…。みんな、好き、だからっ。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ