
DAYS
第33章 交接 -deep night- ANOS×M
待っていた言葉が聞こえてきた。
その言葉が聞きたかったんだ。
優しい潤のことだ。
1人に決めきれないのは分かっていた。
潤の家に来るまでの道中に
みんなで話をしていた。
「1人で抜け駆けはしない」
「みんなで潤を愛する」
そうすれば、潤は1人に決めなくてすむ。
俺たちだって…ね。
「大丈夫ですよ、潤くん。
決めなくていいですから。」
「…へ?」
ニノの言葉に、何でって顔した
潤が俺たちを交互に見た。
頓狂なその顔が、どうしようもなく
可愛くて、思わず飛びつきそうになった…
んだけど、ニノの目がきらっと光って
そこはぐっと堪える。
…ニノに怒られたら、怖いんだよなぁ。
「何で…?だって、決めないと…」
「潤くんが1人だけを決めていたなら、
もちろん、その気持ちを尊重する
気でいました。
もちろん、俺だけじゃありません。」
そこでニノがぐるっとみんなを見渡すから、
潤の目を見てしっかりと頷いた。
「みんな、潤のことが好きだから。
お前が望むなら、全員で潤のことを
愛していくから。」
「松潤は優しいから…。
困らせちゃうでしょ?きっと。
選べないなら、選ばなくてもいい。
好きって、それ以外に何が必要なの?」
相葉くんの相葉くんらしい、温かい言葉に
潤だけじゃなくて俺までじーんときた。
「っ。いいの…?俺でいい?」
「いいに決まってんだろ。」
全員の声が重なって、
1枚、また1枚と服を落としていく。
生まれたままの姿の潤は、
何度見ても美しい。
