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DAYS

第34章 Lives M×O





M side


何とか智をキッチンから追い出すことに
成功して、ホッと一息ついた。


「あっぶなかったなぁ…。」


毎日、朝ごはんを作る前の
攻防にはヒヤヒヤする。

智が作るか、俺が作るかの攻防。


そりゃ、智が作ったご飯も食べたい。
智の作るご飯は美味しいから。

作った本人に似てるのか、
優しい味がするご飯を作るんだよなぁ…。


でも朝だけはどうしても譲れない。

だからどれだけ夜遅くなったって、
体調が悪くない限り朝ご飯は作る。



だって…、その、さ?

朝だからムスコが反応しちゃってて。


そりゃ朝だし、男だから
多少は生理現象のせいもあるけど
俺の場合は違うと思う。


智の寝顔をじっと観察してたら、
いつもいつも反応してしまうんだ。


同じベッドで寝始めた頃は、

「可愛いなぁ」って気持ちだけで
見てたんだけど…。

だんだんと芽生えてくる別の感情。

『抱きたい』


可愛くて無防備な智の寝顔に
毎朝悩まされている。

それなら見なきゃいいだろって
話なんだけど、でもそれも違うんだよ。

見たいだろ、普通。
好きな人ならずっと。



「はぁ…。どうしたもんかなぁ。」
「何が?みそ汁の具?」
「ぅわ!智!?」
「何だよ、人をバケモンみたいにさ。」


上半身には何も身につけず、
短パンとタオルを首から下げるだけの
格好の智。


少し落ち着いてた熱が、また上がってくる。


「…じゅーーんー?」
「あ。みそ汁の具、適当でいいから
続きお願い。俺、風呂行ってくる。」
「え?え、潤?」


困惑の声が聞こえてきたけど、
心の中でごめんと謝って、一度も
振り返らずに風呂場へ直行した。

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