DAYS
第6章 三回目の愛図 M×O
O side
お風呂から上がると、一人で同じ所に
ずっと突っ立ってる松潤がいて。
何か考え込んでるみたいで、顔がずっと
しかめっ面になってる。
お風呂から上がった俺の存在にも気付いて
なかったみたいで、
そんなに何を悩んでるんだろ。って思って
「大丈夫?」
って声をかけようとした時、
俺の目に入ってきたのは
…松潤、下のほうが反応してない?
グレーのスウェットの上が、少し
膨らんでる。
「松潤?」
思わず声をかけたら、
すごく動揺してる。
そりゃそうか。見られちゃったんだもんな。
でも何でこんな時におっ勃って…あ。
もしかして、お風呂のこと?
俺に反応してることを指摘されてから、
顔を真っ赤にして必死になってる松潤を
見てたら、
普段はクールなのに、可愛いんだなぁ。
って思って。
きゅんてした。
まただ。
こういう時、もっと居たいって思う。
ふわふわした気持ちになる。
だからだ。
気がついたら、
「抜いてあげよっか。」
なんて馬鹿な発言をしちゃって、
「やめろ!」
って言われてラグの端までぶっ飛んだ。
その時の松潤の顔が忘れられない。
辛そうな、苦しそうな顔。
…俺のせい、だよね。
「ごめん…。」
今にも泣きそうな表情で、松潤が言う。
謝るなよ。
悪いのは俺なんだから。
でも、俺。気付いちゃったよ。
俺、松潤が好きだ。
突き飛ばしされて気付くなんてさ、
皮肉なもんだな。なんて考えて、思わず
「ふっ。」
笑いが漏れてしまう。
はっとして、慌てて口を押さえるけど
もう遅かった。
松潤の顔は、今まで見たことないくらい
怖かった。
「…馬鹿にしてるの?」
「違う…。」
こちらに向かってくる松潤と、
距離をとろうとするけど
すぐに追いつかれてしまう。
「なんで…なんでこんな事するの…。」
怒鳴られると思って、
目を瞑って歯を食いしばって構える。
…あれ?
何にも反応がないから、そっと目を開けて
松潤の方を見ると
泣いてる。
「酔っ払い相手に言ってもダメか。」
諦めたような顔をして、
「…もう寝よっか。」
こんな時にまで、優しいんだね。