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DAYS

第34章 Lives M×O





「智がぁ、冷たいのー…っ。」


ジョッキ3杯と4分の3を空けた
俺は、もうすっかり酔いが回った。


「はぁ、出た出た。
潤はほんっとに酔うとめんどくさー…」
「なんて?なんか言ったか。」
「何でもないから、な。

そろそろ止めとけよ、お前。
明日に響くぞー。」


やれやれって顔して、俺からジョッキを
取り上げると、きゅーっと残りを飲み干した。


「あーー、とーまが俺の飲んだぁ!」
「はいはい。
おもちゃ取られた子供みたいだな…。」
「子供じゃないー…。」


自分でも面倒くさいヤツだって分かる。

…こんなヤツだから、
愛想つかされたのかな、俺。

冷たい態度取られちゃったのかな。
怒らせちゃったのかな。


お酒の力で上がっていたテンションが、
一気に急降下する。


携帯を細かくチェックしてるけど、
一向に返信は来ないまま。

それがまた俺をブルーにさせる。


「じゅーん?」
「…俺、嫌われたのかなっ。」
「え?は?ちょ、泣くな泣くな。」


涙は勝手に零れてくるし、
急な眠気もきていて寝落ち寸前。

おまけに気分の悪さにまで襲われる。


「おい、潤。大丈夫か?」
「…ん。」
「大丈夫じゃないだろ。」


体を支えてもらってやっと立てる。

何とかトイレの個室へ行くと、
もう我慢出来なかった。


耐えきれなくて、胃のものを全て戻した。


トイレを出ると、ドアの前で
斗真は待っていてくれた。

「潤、大丈夫か?」
「うん…。」
「帰れんのか?泊まる?」
「いや、タクシーで帰る。」


足は重いけど、帰るしかない。

俺たちの家に。

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